米国株式市場における 注文執行クオリティの検証
Abstract
セレントは、包括的調査の一環として、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック市場における注文執行クオリティを検証しました。3ヵ月間に執行された約2,200億株の取引データを分析した結果、いくつかの驚くべき結論を導き出しました。
レポートでは、注文執行のスピード、約定価格、約定率を比較しています。この比較は240以上にわたる市場の参加者が執行した、1億件以上の取引データをベースとした7,200を超える株式銘柄の売買取引をセレントが分析した結果に基きます。
NYSEとナスダックにおける主要な注文執行の主体を様々な基準でランク付けしたところ、両市場のトップ3は下表の通りでした。
今回のレポートを執筆したオクタビオ・マレンジは次のように述べています。「今回の調査で最も驚くべき結果の1つは、ナスダック市場において、多くの電子証券取引ネットワーク(ECN)の注文執行クオリティのパフォーマンスが低かったことです。特に執行スピードの面では、多くの、実際には大部分のECNが大手マーケット・メーカーにかなり劣ることがわかりました。証券取引委員会(SEC)がレギュレーションNMSの導入を決定したことを踏まえると、これは特に重大な結果です。実は、ECNは多くのケースでNYSEのスペシャリストによる立会場取引よりも遅い注文執行の平均スピードを示していたのです。」
調査結果からは、同じタイプの注文や同じ銘柄であっても マーケット・センター(取引所、マーケット・メーカー、ECNなど)によって大きな違いが見られることも明らかになっています。今回の調査では、マーケット・センターごとの注文執行のスピード、頻度、約定価格の改善幅、約定率を考慮してあります。
最終的に、注文執行クオリティが高く評価されたマーケット・センターは以下のとおりです(アルファベット順)。
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