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保険会社向けソフトウェア業界における再編の波

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2006/05/17

Abstract


セレントの予測では、保険会社向けソフトウェア業界における企業買収件数は今後5年間で2
倍以上に増加する見通しです。

保険会社向けソフトウェア市場は巨大であり、さらに拡大を続けています。セレントの予測では、北米、欧州、日本、中国の保険会社によるエンタープライズ・ソフトウェアへの投資総額は、2006年で約100億米ドル(約1兆1,000億円)と見込んでおり、2011年には150億米ドル(約1兆7,000億円)近くまで伸びるでしょう。この市場には、米国だけでも150を超えるメーカーが参入しており、業界再編の機は熟しています。セレントの最新レポート「保険会社向けソフトウェア業界における再編の波」は、同市場の概要と市場再編予測の背景、そして2011年の業界の予想図を提供します。

「保険会社向けソフトウェア業界の再編は、今に始まったことではありません。今回目新しい点は、ドットコムブームやポスト2000年問題の後遺症がようやく治まって、長年にわたりCSC、Fiserv、SunGard、CGIの4大メーカーが独占してきた市場に新たな有力プレイヤーが参入しようとしていることです」と、セレント保険プラクティスのマネジャーで本レポートの主執筆者であるマシュー・ジョセフォウィッツは述べています。

新たなプレイヤーの中には、セレントが「野心的な大手プレイヤー」と呼んでいる、ChoicePoint、Insurity、i-flexや一部のインド系ITサービス企業などの一群が含まれます。「さらに、SAP、マイクロソフト、IBM、オラクルといった眠れる巨人たちも、保険会社向けエンタープライズ・ソフトウェアの将来性にようやく気付き始めたところです。その上、非公開投資会社もまた存在感を示しています」と、シニアアナリストでレポートの共同執筆者のチャド・ハーシュは付け加えます。

再編が最も活発化するとみられるのは、損害保険の契約管理や保険金請求の分野でしょう。また、ビリング、生命保険契約管理、イラストレーション、ビジネス・インテリジェンス、さらには文書管理などの分野でも再編が見込まれます。欧州や中国においても、多くの企業買収が予想されます。

「欧州には保険契約管理システムのベンダーが30社以上あります。しかし、顧客を10社以上獲得しているベンダーはほとんどありません。欧州市場ではすでに企業買収の兆候を見せ始めています」と、セレントロンドンオフィスの保険シニアアナリストであるキャサリン・シュミットはコメントしています。

2011年には、保険会社向けソフトウェア市場の状況は大きく変わっているでしょう。セレントが想定するシナリオは以下の通りです。①SAPが中心プレイヤーとなるだろう、②CSCは他社に買収される可能性がある、③SunGardとChoicePointが「The .NET CSC」の地位を巡って競い合うだろう、④インド系企業のうち少なくとも1社は、市場における優位な立場を確立するだろう、⑤既存の中小プレイヤーの多くは、統合されるか、安全なニッチ市場に特化するか、市場撤退するかのいずれかに分かれるだろう。

「今後予想される業界再編は、保険会社の旺盛なソフトウェア購入意欲を削ぐものではありません」とジョセフォウィッツは付け加えています。「ただし、保険会社は、契約している大手プロバイダーの買収戦略や中小プロバイダーとの契約における規定条項の変更について理解を確実にしておく必要があるでしょう。」

本レポートは、全18ページで構成されています。

注)米ドルから日本円への換算レートは、2006年4月28日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。