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日本の保険業界のIT投資動向

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2008/05/27

Abstract

(このレポートは2008年3月18日に日本語で発表されましたが、英訳版を"IT Spending Trends in the Japanese Insurance Industry"というタイトルで2008年5月27日に発行しました。)

セレントの予測では、日本の保険業界のIT投資は、2008年3月には7,570億円に達し、2012年3月には8,110億円に達する見通しで、2008年3月から2012年3月までの年間平均成長率は1.7%程度の見込みです。

日本の保険市場は、1998年の保険商品の自由化、2001年の第3分野保険解禁などの制度改正を経て、外資系や他業種からの参入もあり、競争は激化の一 途をたどってきました。これに加え、インターネットによるダイレクト販売の台頭や、生損保共に従来の保険に加え第3分野の商品を提供するなど、従来の市場 構造は大きく変化しており、商品構成としては生命保険、損害保険、第3分野保険を柱にした商品が入り乱れており、生保・損保の垣根が崩れてきています。

予算の制約やITに対する保守的な姿勢によって、現在まで保険業界はIT投資に消極的でした。しかし業界構造と規制の変革が保険会社に既存のITシステム を見直し、戦略的なものにするよう迫っています。幸いなことに現在は様々なベンダーテクノロジーやソリューションが入手可能で、保険会社が今後のビジネス 戦略や課題に効果的に対応できる環境が整っています。

セレントの予測では、日本の保険業界のIT投資は、2008年3月には7,570億円に達し、2012年3月には8,110億円に達する見通しで、 2008年3月から2012年3月までの年間平均成長率は1.7%です。2008年3月から2012年3月にかけてIT投資額は落ち着いた水準で徐々に拡 大する見込みです。

出典:セレント

市場の需要の変化に対応するために拡大した商品ラインを効果的にサポートするため、既存の商品ライ ンの整理をはじめ、全面解禁された銀行窓販を含むマルチチャネルサポート、ウェルスマネジメント、そして日本版SOX法への対応など、保険会社が取り組む べきビジネス課題は山積しています。

「生命保険会社および損害保険会社は今後のビジネスモデル戦略を見直す段階にきています。複雑化する市場では顧客への適切な情報提供と対応が必要不可欠で す。その中で、全面解禁された銀行窓販は保険会社にとって有望な販売チャネルであり、また、長期的なビジネスを狙うためには保険会社による十分な支援が必 要とされるでしょう」とセレントのアジアリサーチグループのアナリストでレポートを執筆した万仲 裕美子は述べています。

ビジネスモデルの変革を支援するテクノロジーでも改善が進められています。クレームシステムと契約管理システムの見直しが現時点では急務ですが、それに加 え、業務フローの整理・自動化、紙媒体情報の電子化、データの透明性向上によるアクセス効率化、販売代理店向けシステムを含むチャネルシステムの向上など に各社取り組んでおり、効率的なシステム導入によるTCO削減も視野に入っています。

当レポートでは国内保険業界を取り巻くビジネス環境を俯瞰するとともに、今後のトレンドを展望します。さらに、保険会社がどのような分野に投資していくのかを分析しています。

当レポートは16図、2表を含む全25ページで構成されています。