最先端機能を備えたATM:期待を現実に
Abstract
革新的な金融機関は、顧客サービスの向上、コスト削減、ブランド力の強化を実現する最先端機能に投資することで、ATMを単なる現金支払機以上の存在へと転換させつつあります。
セレントは最新レポート「最先端機能を備えたATM:期待を現実に」で、現在北米で導入されているATMの最先端機能とその将来性を検証しています。有力銀行は、ATMを有効な関係構築手段に転換させようと取り組んでいます。たとえば、ATMと他の銀行チャネルを統合したり、パーソナライズや警告の機能、ターゲット・マーケティングを導入することによって、顧客関係の強化とブランド構築を目指しています。
また、コスト削減と顧客の利便性向上を図るため、ATMによる小切手イメージングも検討されています。当座預金では一部のセルフサービス機能しか利用されていないとすると、こうした基本処理を支店からATMにシフトできれば、金融機関にとっては大幅なコスト削減につながります。一方、顧客側も、預金受付時間が延長される上、小切手イメージングによってスムーズな資金調達手段が得られます。
セレントのシニアアナリストで本レポートの執筆者であるマダビ・マンサは、次のように述べています。「ATMが至るところに設置されていること、消費者にとって重要な存在であることを考えると、これを活用してより多くの商品やサービスをより創造的かつパーソナライズされた方法で提供できる銀行は、他行を一歩リードし、ATMをビジネス上の単なるコスト要因から競争力のある差別化要因に変えていくでしょう。」
ATMや比類テクノロジーは、支店におけるセルフサービスの利用拡大につながる可能性も秘めています。銀行は、顧客をセルフサービスチャネルに誘導することで取引コストの低減を図ると同時に、対面販売の機会を増やす必要にも迫られています。このため、今後数年間はインストアでのセルフサービスというコンセプトを幅広く展開していくでしょう。
レポートでは、セブン・イレブンをはじめとする大手小売業者の取り組みについても検証しています。これらの業者はATMや比類セルフサービステクノロジーを使って現行の銀行をはるかに凌ぐ多様なサービスメニューを消費者に提示し、よりきめ細かな方法で金融サービスを提供しているのです。
本レポートは6図と7表を含む全31ページから構成されています。