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証券会社のIT投資:不景気の中での模索

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2008/04/22

Abstract


(このレポートは2008年4月22日に"Brokerage IT Spending and Priorities:Finding a Way Through Lean Times"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版が2008年7月29日に発行されました。)

信用危機による影響で大手証券会社の業績低迷が 今後数四半期は続く見通しとなり、ブローカー・ディーラーのIT投資サイクルに再び注目が集まっています。セレントは、北米証券会社によるIT投資の伸び 率は2008年から2011年にかけて年平均1.3%にとどまり、前回のサイクルで記録した8.5%を大幅に下回るとみています。

セレントの最新レポート「証券会社のIT投資:不景気の中での模索」は証券会社の短期および長期的な優先ITプロジェクトへの投資額を明らかにするととも に、現在の厳しい環境下でITベンダーがいかに市場ポジションを確保できるかを探っています。レポートでは、証券業界の業績悪化について詳細を検証し、そ の結果としてティア1およびティア2の証券会社でIT投資の優先順位に変化が生じている現状を報告します。

当初はごく小さな問題とみられていた信用危機は大きな広がりを見せ、過去3四半期の評価損計上額は約1,500億米ドル(約15兆1400億円)に膨らん でいます。オリバー・ワイマンの予測によると市場の軟化は今後少なくとも6四半期は続くとみられ、さらなる損失の拡大も予想されます。過去のデータをみる と、証券会社のIT投資額と従業員数は業績低迷時にはいずれも削減され、業績好調時に回復する傾向があります。一方、特定の市場に関する専門知識を持つ人 材が増加しつつあり、業務とシステムとの連携を強化する戦略的再編が拡大しており、このような景気とIT投資額、人員削減のサイクルの緩和要因となってい ます。

「サブプライム問題による打撃が大きい証券会社ほど、IT投資の優先順位の調整が大規模かつ長期に及ぶ傾向があるとみられます」とセレント証券プラクティスのアナリストでレポートの共同執筆者であるシャーメイン・リーは述べています。

証券会社は長期的なIT優先課題を認識しているようですが、CIOや業務部門の幹部は現在の市況や不安定な景気動向による不安を抱いています。収益への打 撃が予想される中、証券会社は目先のIT投資の優先順位を調整することでこれに対処しています。リスク管理、コンプライアンス、ポートフォリオ評価などに は引き続き高い優先順位が付けられています。また、証券会社は長年にわたりフロントオフィスの執行機能の強化に取り組んできましたが、最近は成長計画より もバック/ミドルオフィス業務の効率化に関するプロジェクトへと関心が移りつつあるようです。

「成長路線の減速や巨大ITプロジェクトに対する投資意欲の減退と歩調を合わせるように、多くの証券会社のIT計画では業務の効率化やコスト削減を目的と するプロジェクトが主流となるでしょう」とセレント証券プラクティスのシニアアナリストでレポートを共同執筆したデビッド・イーストホープは述べています。

環境の悪化にもかかわらず長期的なIT投資の優先順位はほとんど変わっていません。戦略としてのITの役割が強まる中で、IT投資は景気に左右されにくく なってきてはいます。ただし、ITベンダーがこの不景気の中で、短期的、長期的に優位に立つためには、コスト効率性と柔軟なサービスやシステムを求めるセ ルサイドのニーズに対応する必要があるでしょう。

本レポートは14図と10表を含む38ページで構成されています。

注)米ドルから日本円への換算レートは、2008年3月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。