2009年ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ

セレントは幅広い調査に基づき、ニューヨーク証券取引所（NYSE）の上場銘柄の注文執行を手がける取引所の比較・評価を行いました。

セレントの最新レポート「2009年ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2008年7月1日から9月30日までの期間に売買されたNYSE上場銘柄の注文執行クオリティを検証しています。計179の市場参加者が執行した188億件以上の売買注文（株式総数は7兆株）を調査し、セレントヘッドのオクタビオ・マレンジと証券プラクティスのアナリストであるシャーメイン・リーが執行スピードと執行価格に基づいてこれらをランク付けしました。

全体として、各マーケットセンターによる約定価格向上の頻度はいずれも前回調査（対象期間は2007年12月から2008年3月）に比べて上昇しています。電子発注システムはNYSEにおける売買高シェアを約25%から40%以上に拡大し、存在感を高めています。一方、シェアの低下幅が最も大きかったのは取引所のスペシャリストで、65.6%から44.4%に落ち込みました。

出典：セレント

全体として、NYSE上場銘柄の約定価格で最も高く評価されたのは前回の調査同様にBIDS Tradingで、執行スピードではオルタナティブ取引のシステムから取引所に発展したBATS Tradingが第1位にランクされました。

今回の調査では、ナスダックMC (ナスダックマーケットセンター) が大手電子発注システムとして約定価格で最高位にランクされたのに対し、BATS Tradingは執行スピードでトップの地位を維持しました。マーケットメーカーの中では、Knightが顧客注文の約定価格と執行スピードの両方で最高 の評価を得ました。スペシャリストに関しては、Susquehannaがサービスを停止したほか、Van der Moolenがリーマン・ブラザース（現在はバークレイズ・キャピタル）に買収されたため、ランクの入れ替えが見られます。La BrancheとVan der Moolenが約定価格と執行スピードの各分野でそれぞれ最高位にランクされました。

本レポートは23図と9表を含む38ページで構成されています。